「今日のゲストはクークスを占うRです! なんちて」
「どもども」
「僕もRも大好きなクークスなんだけども」
「うん」
「この2ndではどれくらいクークスが成長したでしょうか?」
「前と比べるって言っても1枚目のアコースティック・ヴァージョンでしか聴いたことないしね」
「そうなんだよね。でもさ占うぶんには関係ないでしょ」
「うんそう。あー、2枚目らしい2枚目だと思いますよ」
「あ、そう」
「変なところに入っていってるような気がする」
「音楽の作り方とか?」
「うーん、、作り方っていうかニュアンスがね」
「へー。俺が聞きたかったのは、メロディとかグルーヴとかが、前作と比べてどう変化してきているのかっていうのを知りたいんだよね」
「あのさ、作家の村上龍氏のデビュー作は、えーと」

「限りなく透明に近いブルー」
「でさ、2作目が読めなかったんだけど。すごいファンのひともいるらしいんだけどさ、個人的には読めなかったんだけど、その2作目の雰囲気と似ているような気がする」

「うーん。俺にはさっぱりわからないな。村上龍を読んでいるひとだったらわかるかもね、Rの言うこと」
「うん」
「なんで村上龍が出てきたの?」
「だからその1作目と2作目の感じが、まあクークスの1作目を知らないけど、この2作目を見たときにそれに通じるものがあるような気がしたから」
「そこらへんをもうちょっと言葉にしてもらえたらありがたいんですけど」
「あのーなんていうか、B面ぽいというか」
「B面ぽい?」
「うん。全体的な雰囲気がB面ぽいというか」
「えー、でも、いろんな雑誌とか読む限りは、もう本当にかなり成長したみたいなこと書いてあったよ。俺も新曲のビデオクリップ見たけどさ、すごい良かったよ」
「……村上龍さんも2作目書いたときにそう言われたんじゃないかと思うよ」
「村上龍以外では表現してくれないの。あまりにもわかりづらいな」
「うん、あまり正当派な2枚目じゃないというか。だけどみんな2作目はこうなるのかもね」
「そうお? けっこう力強い2作目らしいよ」
「じゃあ、この占いは外れてるね」
「そんなミもフタもないこと言われても困るな」
「それしか言えないもんね。べつにこれが悪いって言ってるわけじゃないよ」
「ああ」
「ただちょっとB面ぽい」
「えー、納得いかないなあ!」
「どして? B面好きでしょ」
「B面大好きだよ」
「じゃあ、いいじゃない」
「おもしろみのあるB面なんだ?」
「いや、知らない。ただB面ぽいだけしかわかんない」
「わけわかんない」
「おれはRの言う“B面ぽい”ってニュアンス全然わかんないんだけど、おれはこれメジャーで通用するアルバムだと思ったし素晴らしいと思ったよ。ぜんぶ聴いたわけじゃないけどさ、2枚目。新曲を一曲聴いただけだから。でもそれ聴くとかなりいいよね。Rも知っているアコースティックのアルバムもグルーヴィーでさ、聴いていると視界がバーッとひらけていくようなところあったじゃん」
「そうなんだ」
「俺はあったんだけどさ。それが新曲にはさらにあってすごいバンドだなーと思ったけどね。なかなかそういう風に思えるバンドっていないけど」
「うん」
「なぜこれほどまでに自由に曲が作れるのかなーと思ったけどね」
「それ質問?」
「うん」
「なぜ自由に曲が作れるのかってこと?」
「自由な感じの曲をなぜ作れるのか?」
「精神的に独立しているからじゃないかな」
「あー、またそのての話か」
「でもそうじゃないの」
「まあ、そうだろうね」
「だからこういう2枚目になったんじゃないかな」
「なるほどね」
「じゃなかったらもっとねらってるよ。そう、ねらってないんだよ、これは!」
「あー、なるほどね!」
「うん。でもクークスは今べつに出したくなかったと思う」
「そうなんだ」
「うん。今べつにねそんなに出す気分じゃなかったと思う」
「ほうほうほうほう」
「放っといてくれるんだったら、まだまだあと3年くらい出てなかったと思う」
「なるほどねー。契約的に出さなきゃいけなかったのかな」
「契約がなかったとしても、たぶんちょっとあせりだすかもしれないしね。だって忘れられちゃうもんね。4年もなにもしなかったらさ」
「まあそうだね。うん、なるほどね」
「でも、ねらってないと思うよ」
「ねらってないってのはなんかわかるな。そこが俺もすごい好きなんだよね。だから聴いていて気持ちいいんだよね」
「うん」
俺にとってクークスというのは夏である。
こうして2枚目を占うのもまた夏目前だし。
1枚目のアコースティック・ヴァージョンは、
2006年、俺の夏のBGMだった。
激しく、つらく、それは刺激的で楽しい夏だった。
俺が時々無性にクークスを聴きたくなるのは、
その経験とクークスの音楽がセットで記憶されているからだと思う。
もちろん実際の音も他のバンドにはない独特のグルーヴがあり最高だ。
クークスの音が響くと、
太陽が熱くなり、
夏のモードが俺を包み込む。
それは暴力的なのに楽観的な、
地獄でニヤリと笑う俺のB面だ。
よろしければ押していただけると励みになります



