「音JK占い!」
「パフパフパフ」
「なんかそれすげーひさしぶりだな。ところでいきなりなんだけど、俺、最近さ、人生の岐路に立たされてて色々考えることがあるんだよ」
「なに考えてんの」
「だから自分の進むべき道とか方向とかさ、考えるときってあるじゃない」
「ふ〜ん」
「そういうときにねジェイソン・コレットのような人を見ると、っていうか音楽を聴くと、彼は自分の道を進んでいるんだなって感じで憧れを持つんだよね。
で、実際、ほんとにそういう人かどうかを知りたいわけ。たとえば、彼が音楽を作るうえで何かに捕われたりすることはないのかな? とかさ」
「うん」
「むしろその逆で迷いなく音作りができるならば、なぜそういうことができるのか? とかさ」
「うんうん」
「それを占ってもらいたいね」
「このひとの音作りはね、すごく、なんていうのかな、なんて言ったらいいんだろ、とても狭い道を見ているみたい」
「狭い道を見ている?」
「けっこう一方向を見て作ってる。これネガティブな意味で言ってるんじゃないよ」
「うん。まあ、そんな感じだよな。たしかに」
「そういうふうに作っていて、それが自分でもつらいんだけど、かといって彼はジャンル広げようとか視野を広げようっていうふうな気持ちは持っていなくて、気持ちっていうか思いつかなくて、そういうことは」
「うん」
「その狭い道を、もう砂利とかすごい高く積まれているのに、そこを車で無理矢理突破しようみたいなさ感じで曲作りしてて、それが、ま、良かったりする」
「なるほどな」
「そのポンコツ車を置いて、その道を行くのをやめればいいのに、行っていると思う」
「なんでそういうことができるんだろ。まあ、性格だとは思うんだけどさ、何がどうやって無理矢理デコボコ道を行けるような人間性を育んだのかね? 何か過去とかがあるのかな」
「う〜ん。石の上にも3年とかいって育てられたんじゃないの」
「俺だってそうだけどさ、もう全然根性ないよ!」
「でもガリバーはほっといたら石の上にも3年のってるじゃん」
「それは根性でのってるんじゃないよ。惰性でのってるんだよ」
「そうかもね」
「ジェイソン・コレットは」
「根性もあるね」
「根性もあるんだろう。惰性じゃないんだよね」
「うん、そうだね」
「すげーよなー
「そんなジェイソン・コレットですが、彼が自分の音楽のどんな部分で勝負しようとしているのかが気になるよね。たとえば、歌詞で勝負しようと…」
「メロディだね。このひと自身はメロディで勝負しようとしていると思う」
「このひとのメロディってけっこう、ま、オールド・タイプなのね」
「うん」
「でも、オールド・タイプなんだけど、、なんて言うのかな、モダンな感じで聴こえるわけ」
「ふうん」
「聴き慣れてるはずのオールド・タイプなメロディなのに。…最近は若い10代くらいのバンドなのにさ、音はえらく古く感じるバンドとかいるじゃない」
「うん」
「その逆でさ、このひとの場合は昔あったようなメロディみたいなんだけどなぜかモダンに聴こえるんだ。それはなんでなのかな」
「だからさっきのさ、すっごい道が細くなっているのに無理矢理ポンコツ車でブゥン! ブゥン! ブゥン! ブゥブゥン! ってサバイバルしながら無理矢理突破していくっていう、そこにやっぱりアバンギャルドな何かがあるからじゃないかな。それがこのひとのメロディに成り代わっているんだと思うな」
「骨のあるひとだな」
「そうだと思う。ひとことで言うと」
「彼は音楽家なわけだけど、きっと漁師とかさ野菜作ったりしてもいい仕事してそうだよね」
「炭坑掘ってたりね」
「一本気でね」
「うん。たぶん、他のことを俺はやれないと思っているから、ここの狭い道を俺は行くしかないんだから、俺はここの道を絶対に行かなきゃならないんだってことだと思うんだよね」
「それが音とかにもあらわれてるってことだよね」
「それがこのひとのメロディなんだとおもうよ」
ジェイソン・コレットの音楽はたしかに、
いつかどこで聴いたことのあるメロディではある。
だがこのメロディの向こうにはジェイソン・コレットしかいない。
まるで砂埃の向こうに立ちはだかるガンマンみたいだ。
俺は闘うことしか知らないから闘うというような。
本当は誰もがもっている資質なのかもしれないが、
そこにある魂の強さに俺は憧れる。
ジェイソン・コレットの見つめている道に名称はない。
一本気野郎たちの進む道に名前なんていらないのだ。
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