

小室哲哉「罪と音楽」を読み終えた。
なにげなく読み始めたら、
やめれなくて一気に読んだ。
いろんなミュージシャンの自伝や、
バイオグラフィを読んだが、
「罪と音楽」はこれまでにないものだった。
自分が起こした事件のこと、
つくり出す音楽のこと、
正直に丁寧に語られているのだろう。
だが、つかみどころがないのだ。
俺にとって現実味がないというのか。
悪い意味で言っているのではない。
小室哲哉は間違いなく存在している。
本を読むかぎり純粋でシンプルな存在だ。
それは空気のようで、
見上げる空のよう。
Rは「ここが印象的だった」、
「ここの表現は小室氏独特のものだ」などと、
俺に語ってくるが覚えていない。
俺は小室哲哉の音楽が、
あまりに自分と関係がなかったゆえに、
理解をシャットアウトしているのか。
でも、本は面白かったし、
Rも小室哲哉の音楽を聴いていたわけではない。
Rが推測するに小室氏はひとりっこではないかと。
ひとりっこ的な感性で描かれている部分が、
いくつかあるようだ。
だから俺には理解できないのかも。
ちなみにRはひとりっこである。
やはり俺にはわからない感性を持っており、
なぜそんなことを言うのか、
そんな感想を持つのかというときがある。
説明をうけて「ああ、なるほど」となるのだ。
俺に言わせると品があるというのか。
ひとりっこ全員に品があるとは言わないが、
Rも小室哲哉にも似たような浮世離れ感がある。
いくらダーティーなことをしても汚れない感じだ。
自分のことで言えば、
俺には姉妹がおり、父も母もみな下品だ。
べつに下ネタを連発するような家族ではない。
むしろいやらしいことを日々考えているのに、
黙っているという下品さ。
保守的で犯罪などは起こさないが、
心は汚れているとも言える。
Rや小室哲哉に対して、
興味を持つのは
自分と真逆の人間で新鮮だから。
あとは憧れなのか。
自分の好きなことをやっているひととして。
自分の好きなことしかやらないがゆえに、
大変な目にあっているひととも言える。
でも、そこがシンプルで純粋に見えるのだろう。
俺とちがって。
押してくれるとうれしいのね
